TEACCHとは

Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped Children

1960年代以前には発達障害(自閉症)はブルーノ・ベッテルハイムを中心とした「親の育て方や母子関係に由来する説」が広く言われていましたが、この考えに真っ向反対した1人がエリック・ショプラー博士(Dr. Eric Schopler 1927-2006)です。

 彼は発達障害(自閉症)児と親の関係はむしろ良好で、自閉症と育児方法との関係はないとの論文を出し、1971年には行動理論と認知理論の概念から支援プログラムには構造化が有効であるとして「自閉症の子供の発達に関する構造化の効果」を発表、翌1972年にはアメリカ精神医学会からGold Achievement Awardを受賞する事になります。こういった歴史の中、ノースカロライナ大学で発展したTEACCHは、1970年代からノースカロライナ州として正式にサポートする事が決定、3つのセンターと11の公立学校にクラスが設置される事になりました。
 ノースカロライナ州における発達障害(自閉症)児の教育、療育、社会的自立、生活環境の整備におけるノースカロライナ大学が提供するこのシステムが、集団対応に向いていることなどから全世界に広がっていきました。

 TEACCHは特に視覚構造化が有名ですが、厳密に言えばその療育方法自体を指している訳ではなく、診断~療育、環境整備までのシステム化のことを指します。絵カードを含む生活環境の構造化から始まり、ABA、ペアレントトレーニングや就労の手伝い、自閉症の研究、行政など多岐にわたる概念の包括です。この点に関してはヨーロッパ圏に留学経験のある外国の医師達も「システムである」と同様の意見を持っています。

TEACCHにはいくつかの基本的な原則があります。

 視覚構造化(目で見てわかるようにすること)、物理的構造化(隣を見て気が散らないようにパーティションをおくなど)を含む構造化(わかりやすくすること)、ワークシステム(何をどのような順番でするかをわかりやすくすること)、スケジュールの可視化(予定を目で見てわかるようにすること)があり、これらがTEACCHの4原則と呼ばれています。
 

 ですからよく言われるようにABAと対抗するものではなく、あわせて使うこともできます。ただわが国ではTEACCHが知的障害児のデイケアなど集団の場で使われ、応用されることが多く、個々の子どものコンディションに合わせてプログラムを作り、対応していくという面はあまり強くはありませんでした。

例えば、ABAが「この子の癇癪には適応」と判断されれば、積極的にABAの手法が適応されます。

TEACCHは、「Culture of Autism」として「自閉症を文化」をして捉え、発達障害(自閉症)児が発達障害(自閉症)児としての個性を生かして自立するためにシステムを確立してきました。


では、このTEACCHシステムを維持していく原則はなんでしょうか?

1 発達障害の特性を認知・行動学的な視点で見る

2 治療に当たっては保護者と専門家が協力する

3 新しいスキルを教え、環境を調整する事で適応性を高める。

4 子供の様々な状況やゴールを見据えて個別評価を行う

5 学習と自立を支援するために、構造化された指導方法を活用する

6 認知理論と行動理論を活用する

7 スキルを伸ばすと同時に弱点を受け入れる

8 全体像と家族との関係で子供達を捉える

9 生涯にわたるコミュニティーに基礎を置いたサービス


TEACCHシステムはこの9原則を踏まえた上で、「常にオープンであること」と「新しいアイディアを受け入れる事」が提唱されています。



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