自閉症において効果的な治療や予防手法はあるか?

 自閉症スペクトラム障害の診断後には両親、世話をする人、専門家達は効果的な介入を必要とします。


参考文献を抜粋し、効果的な療育を考えてみます。


 集中的な特別教育プログラムの継続、早い段階での行動療法は、明らかに日常機能と重度の症状を改善し、不適切な行動を減らすことで、自閉症児の自立、社会、職業スキルの獲得の手助けとなります。

 しかしながら、早期に集中的行動学的介入をすることは、選別された子供達において適度な結果を出しているに過ぎない。その結果は様々な研究に基づいて評価されるが、いずれも方法論的な質は悪いとされています。

 利用可能な教育的介入には、ABA、TEACCH、親への介入、言語介入ソーシャルスキルセラピー、薬物療法などを含めた多くのセラピーがあり、自閉症抱えるほとんどの子供は、様々なセラピーを組み合わせて治療しています。

 不幸にもほとんどの介入効果の研究は、その結果が自閉症ガイドラインの推奨がないといったような研究的問題があります。この問題は、効果についての決定的な結論の妨げになる、参加者が少ない事や観察期間短いことなどによるものです。

 それぞれのセラピーは自閉症の異なった症状に焦点を置いているが、理想的なセラピーは社会性、行動、コミュニケーションに重点を置いたものです。

 加えて、社会性、行動、コミュニケーション機能における成長を記録するのに、セラピーによる成長であると証明するツールも必要です。研究成果の中で有効であるとされても、その能力は日常生活の中で有効性の般化がほとんど示されていません。

 週30~40時間の1対1のセラピーを行うABAは自閉症児に広く使われています。ロバース法や良く知られている行動療法のプログラムは、日常生活、コミュニティ生活、学問、社会スキル、自傷他害の不適切行動を制限します。
 システマティックレビューでは、就学前の自閉症児に対してのABA介入プログラムは認知、適切行動、言語発達において、一般的なケアと比べて認知面だけは明らかな改善の差がでなかったとされています。最近のシステマティックレビューでは認知行動療法はアスペルガー症候群の人々の不安面においては効果があるとされていますが、他の自閉症のタイプには効果がなかったようです。それゆえ、ABAは全般的に効果があるとは証明されておらず、現在もっと多くの臨床試験が必要としています。

 TEACCHプログラムは長年に渡り施行されてきました。TEACCHは3年以上の期間に34人の自閉症の男児と重度の精神発達遅滞児において寄宿舎と自宅、学校で行われた研究があります。その結果は自宅、寄宿舎、学校においてVineland Adaptive Behavioral Scale (VABS) scoresで統計学的に優位な変化がありました。しかしながら、特定の状況下で行われているために、研究結果は効果の評価に偏りがあったため、明らかな結果を証明する必要があるとしています。

 1~6歳児の自閉症児における両親介入に重点を置いたシステマティックレビューでは、子供の社会コミュニケーションスキルの改善にペアレントトレーニングが観察期間内では優位な証拠がありました。さらに著者達は、子どもの社会コミュニケーション、行動、両親の行動、親子供関係に有効な効果を出すために、ペアレントトレーニングが機能していると結論づけています。その他の結果では、Preschool Autism Communication Trialと比較して、両親介入型プログラムは親の満足度が高いことも示されました。

 早期介入プログラムについては適切にデザインされた研究はないとし、結論は出ていませんが、発語と言語セラピー効果に関しては少数ながら存在はするとしています。これらほとんどのコミュニケーションサポートは、コミュニケーション方法を増大するか代替的にするものであり、それが発語を妨げるものではないと思われます。

KasariはADI-R とADOS にて診断を受けた58人の自閉症児において参加型介入と象徴遊びには効果があったと報告している。Howlinは84の自閉症児の学校でPECSが有効であるかの調査を行いました。
 その結果、薬物治療は使いやすいが、言語や社会性などの中核症状には効果はないとしています。薬物治療はADHDの攻撃性、易怒性、自傷行為、常同行動、繰り返しなどに使用されています。

この問いの結論としては、現時点では効果が証明されたセラピーや予防するような世界共通の治療方法はなく、このためもっと調査が必要であるとしています。


参考文献
 Early Autism Detection: Are We Ready for Routine Screening?
Pediatrics 2011;128;e211 Q2から抜粋