自閉症スペクトラム障害児の偏食について ②

自閉症スペクトラム障害児を持つ親の約70%は偏食に悩んだ経験があります。

悩んでいるのは自分だけではないといった意識を持つことも大切です。

偏食の原因が医学的問題でないとわかった場合には、決して家族内だけで解決しようとしてはいけません。偏食が問題になるのは子供がいる家庭は普通であり、決して子供に強制して食べさせたり、偏食が口論の原因になることは状況を悪化させるばかりです。

偏食については過剰に反応することなく、一歩引いた目線で、出来るだけ子供が嫌がる理由を考えて仮説を立ててみましょう。

そもそも、自閉症スペクトラム障害児は新しいことを嫌がる傾向にあります。

トライアンドエラーを繰り返し、この不安に対する対策を考えましょう。

介入に年齢は関係ありませんので、不安、こだわり、感覚過敏の問題に着眼して食物の選択を広げていこうとする研究もあります。

では、考え方の手順はとゆうと

① 出来うる限り多くの偏食の原因を考えます
② どのように介入して食事を広げていくのか考えます

① 、②に挑戦することが大切です。


偏食には行動学的手法が有効だとされています。
具体的な考え方をお示しします。


【偏食に取り組む際の7つの方法】
1:医学的問題の除外
胸焼けや胃食道逆流症を含む胃腸障害やアレルギーの問題を除外する。子供にとって表現するのは難しいことであり、まずは内科的問題の除外から開始する。

2:落ち着くこと
子供は通常大人しく食べるようになるのに、同じものを何度も食べる必要がある。
食卓が議論の場にならないようにする。

3:食べることに段階を踏む
自閉症スペクトラム児は新しいことを怖がる傾向にある。触ったり、においをかいだりする体験を手助けをすることである。食べる準備が出来た時にはキスする、なめる程度から始める。食べ物を混ぜて、味を混在させることも役に立つ。

4:材料の調和
自閉症スペクトラム障害児は匂いや味よりも材料の食感に関してしばしば過敏性がある。例えばぐしゃぐしゃのトマトなどで、刻んだり、混ぜたり、ソースにしたりして工夫する。

5:新しい食べ物で遊ぼう
パスタソースでお絵かきしたり、野菜の顔でピザを作ったりする。楽しむことが大事である。

6:選択とコントロールを提案する
多種類の食事をテーブルに並べ、多くの食材の中から自分で選択させる。好みのものばかり毎日選ばせないようにすることも大事。

7:強化子には十分注意する
称賛や強化子があると、食事を楽しむことや十分な栄養がなぜ大事かを学ばない。称賛や強化子がゴールになる。デザートやお菓子は、食事やおやつの一環として与える。人参などを食べるために使ってはいけない。強化子を与えるのは長期的にみて成功しない。


※Seven Ways to Help a Picky Eater with Autismより改編


具体的な例と補足対策は③に続きます。


【参考文献】
・“Encouraging Picky Eaters with Autism to Try New Foods” 
 Emily Kuschner, PhD Children’s Hospital of PhiladelphiaAutismspeaks
 GOT QUESTION” November 9, 2012
・“Seven Ways to Help a Picky Eater with Autism”
  Autismspeaks May 7, 2013
・“Nutrition and Autism”  
  Autismspeaks February 07, 2013
・“Feeding Symptoms, Dietary Patterns, and Growth in Young Children   With Autism Spectrum Disorders” Alan Emond, Pauline Emmett, Colin Steer and Jean Golding. Pediatrics 2010;126;e337
・Elaine Isherwood BSc SRD, Katie Thomas Dip D SRD, Beverley Spicer BSc SRD. “Dietary Management of Autism Spectrum Disorder”. the British Dietetic Association Specialist Paediatric and Mental Health Groups
・“Iron Status in Children With Autism Spectrum Disorder”. Ann Reynolds, Nancy F. Krebs, Patricia A. Stewart, etc. Pediatrics 2012;130;S154