自閉症スペクトラム障害児の就学相談について

 文部科学省では、子ども一人一人の教育的ニーズに応じた支援を保障するために、早期からの教育相談や就学相談を行うことにより、情報を提供と関係者が共通理解を深めることで教育的ニーズと必要な支援について合意形成を図っていくことが目標となっています。

自閉症スペクトラム障害児では、就学時健診から入学まででも個別療育によって伸びがまだまだある場合も多く見受けられ、就学先の選定には大変悩むことと思いますが、就学相談でこういったことを早い段階で事前に話合うことが大切になってきます。

では、就学相談についてみてみましょう。

まずは、一般的にどのような児童が就学相談の対象となるかですが、

・保護者が希望している

・障害をすでに持ち加療している

・障害を持っている可能性があり、相談が必要

・就学猶予・免除中であるが次年度より就学予定

・中学校から特別支援学級または都立特別支援学校に希望

などのケースです。


障害とは「就学基準」に該当する障害を持っている場合を指します。


現在は「就学基準を満たす児童は特別支援学校に原則就学する」という従来の就学先決定の仕組みを改め、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人・保護者の意見、教育学、医学、心理学等専門的見地からの意見、学校や地域の状況等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定することが適当であるとされています。

ここで、「以前の就学先の原則」に変化が出てきている例をお示しします。

 平岩の報告では、2009年~2012年間でABA(応用行動分析学)による個別療育を行った37人とTEACCH主体の療育園による対照群30人とを比較した就学先の結果では、通常学級(ABAによる個別療育群vs TEACCH主体の療育園による対照群 : 57% vs 8%)、特別支援学級(22% vs 42%)、特別支援学校と就学猶予(11% vs 51%)の結果となりました。これは従来の就学基準を満たす児童は特別支援学校に原則就学するという従来の就学先が、療育により変化してきていることを意味しています。(注:ABAとTEACCHの有意差の比較にはならず、また本報告の意図するところ、本文章の意図するところではありません)

 自閉症スペクトラム障害児の場合には、以前からの発達度合を含めて就学相談を行い、必要であれば医師の診断を受けるなどの工程を得て、最終的な就学先が決定します。

就学相談の申し込みがあったもしくは就学時健診にて二次健診を勧められた場合の就学先決定の流れの例としては

① 幼稚園などから「就学指導に関する調査書」の提出

② 面談(相談)

③ 保護者から「教育相談のための調査書」の提出

④ 就学指導委員会の専門委員もしくは医師による検査

⑤ 提出された「就学に関する診断票」を、教育委員会で検討

⑥ 面談(相談)の上で就学先の決定


就学先の最終決定は保護者との合意で決まります。


 入学時に「特別支援学級」、「特別支援学校」を希望される場合には、実際に見学に行って確かめておく必要があります。


入学がゴールではありません。

就学相談から就学まで期間があり ます。

大切なのは、人と比べるのではなく、目に見える形で成長を比べてみましょう。


「出来て当たり前なので称賛はなし、出来ないと叱る」のではなく、「出来たことが実感できるようにして、称賛する」習慣を作っていくことが大事です。


次回は、就学先で考える「特別支援」にいてお話し致します。


【参考文献】
・就学相談・就学先決定の在り方について 
 文部科学省ホームペ  ージ
・就園と就学 自閉症スペクトラム障害療育と対応を考える    
 P156~P177 平岩幹男
・小学校入学前、これから何をする? 
 ぺあぜっとi 2012年10月号 P27~P31 Z会 松嵜洋子