かんしゃく②

 どんな子にかんしゃくが多いのか見てみます。

まずは、関連ある言語発達とコミュニケ―ションについて考えてみます。

 25~30%の自閉症スペクトラム障害児は、15~24か月で言葉の発達が停滞してしまいます。言語発達・かんしゃく・攻撃性は強い相関はありませんが、Dominickらは説明能力が未熟である児童にかんしゃくは起こりやすいと報告しています。

また、Carlieらは、表出性コミュニケーションは社会性と強く相関していますが、感情や問題行動とは強いは相関なかったともしています。

自閉症スペクトラム障害児では、受容言語(言われたことを理解する)と表出言語(自分で話す)のスキルが不十分であることが、かんしゃくと強い相関が認められます。しかし、定型発達児では認められなかったとも報告されています。
 受容的コミュニケーションスキルは、問題行動やコミュニケーションの妨げとは相関しないとも報告されており、ここからは表出言語スキルに重要性がありそうだと考えられます。

 Honorらは社会性の発達の妨げになるかんしゃく、攻撃性、自傷行為などがあれば、改善するために介入する行動がはっきりすると指摘します。上記と一見矛盾しますが、コミュニケーションスキル改善にターゲットを絞った研究を見てみると、日常生活スキル、社会性、問題行動の減少に効果があるとしている報告もあります。


それでは、実際の対応について考えてみましょう。


癇癪が起きた時の対応は、無反応です。


無反応は無視とは根本的に違いますが、対応は問題行動全般に応用できる方法です。かんしゃくに反応したり、要求を叶えると、かんしゃく自体が要求を叶えるツールになってしまい強化されます。


このため、癇癪自体には反応せず、落ち着くような言葉がけを行います。


この時に、もっとも重要なのは


問題行動をやめたらすぐに褒めるこ


です。


 この「褒める」こと、つまりその後の言葉かけや抱きしめることによる愛情表現は、平岩らやカレンも著書でその重要性を述べており、ハグやタッチケアによる愛着形成については、言葉だけでは伝わらないメッセージを補ってくれるものとして、行う親自身に対する効果も吉永がまとめて述べています。


癇癪には反応しない+必ず褒めること


必ずセットで考えるようにしましょう。



【参考文献】
・Honor R, et al. Problems behavior interventions for young children with
 autism. J Autism 2002;35(5);P423-446
・Thomas R. Tempering temper tantrums. The Journal of Pediatrics January, 2008
・Chris Plauche J, et al. Identification and evaluation of children with  
 Autism Spectrum Disorders. Pediatrics 2007; 120 (5); P1183-1207
・Challenging case: Behavioral changes Temper tantrums, Impulsivity, and Aggression in apreschool-Aged boy Pediatrics 2001; 107 (4); P832-837
・発達障害の子どもを伸ばす 魔法の言葉かけ P90-91 shizu著 
 平岩幹男監修
・うまくやるための強化の原理 p122-130 カレン・ブライア著
・keating.K. HUG2. 扶桑社 
・吉永陽一郎: カンガルーケア、タッチケア、ハグなどの愛着を支える試みとはどのようなものですか 小児内科 vol.45, no.8,  2013