知能検査①

 知能検査の目的は発達段階に合わせた教育を行うことを目的とし、検査結果は固定されたものではなく変化することが前提にあります。
 
 検査結果は高い低いではなく、全体的な発達と個々の分野における得意・不得意を明らかにし、どの部分に対して支援していくのか、どうプログラムを組むのかを決めていくためのものです。

 知能検査は単独で行うより、多種の検査を組み合わせ(テストバッテリー)、さらに詳細に状態を評価しますので、知能検査と発達検査の組み合わせは必須となってきます。

 自閉症スペクトラム障害児の場合には新しいことを嫌がったり、ラポール形成がうまくいかず、検査結果の解釈に慎重にならざる得ない場合も多くあります。検査中の子供の反応や、結果の原因検索(実は集中力が切れただけ、途中で放棄したなど)を評価することも大事であり、その点も社会生活上の問題を解決する支援・教育の方向性にもなります。

 特に就学前の自閉症スペクトラム障害児においては、数字だけに重点を置いた結果の解釈と必要以上の検査が行われている場合もあります。


それでは、主な検査についてお話します。

ここでは、ウェクスラー児童用知能検査第4版(WISC-Ⅳ)、K-ABC心理・教育アセスメントバッテリー、田中・ビネー式知能検査を取り上げたいと思います。

まずはウェクスラー児童用知能検査第4版(WISC-Ⅳ)です。

① ウェクスラー児童用知能検査第4版(WISC-Ⅳ)
2011年に第3版から大きく内容が改定になっています。
 これは、全検査IQ、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度の5つの合成得点から成り立ちます。
例えば、言語理解では言葉の類似性や単語の意味を、ワーキングメモリーでは数やカナの暗証や並べ替えを行います。結果はグラフ化できるようになっているために、得意・不得意を比較することが出来ます。


次回は新版K式発達検査2001、K-ABC心理・教育アセスメントバッテリー、田中・ビネー式知能検査についてです。


【参考文献】
・“発達検査” 国立特殊教育総合研究所
・ 瀬尾亜希子:知能のアセスメント - 新K式2001、K-ABC、WISC-Ⅳ-
小児内科  Vol45. No8 P1404-1409, 2013
・ 橋本創一 : 知能検査 考えて出そう検査オーダー
小児科診療 第76巻 増刊号, 2013
・ 鏡直子、長井洋子 : 軽度発達障害Q&A Q24. 小児内科 第39巻2号
P233-236, 2007