言語発達について①-2

 自閉症スペクトラム障害児において、言葉の発達ならびに言葉の不得意な部分の練習並びにサポートは、コミュニケーションとして見た場合にも日常生活において非常に有用です。

前回は1歳前の言語発達の目安をお書き致しましたので、今回は1歳以降の基本的概念をお話ししたいと思います。

1歳以降は、月に5語程度を獲得して行きますが、語彙爆発と言われる1歳前後の時期になると月に30~60語程度獲得して行きます。つまり、二語文以上が獲得されるのは、単語数をある程度習得した後になります。

構音が完成すると言われる年齢は

2 歳代:パ行、バ行、マ行、ヤユヨワン、母音

3 歳代:タ行、ダ行、ナ行、ガ行、チャ行

4歳代:カ行、ハ行 5 歳代:サ行、ザ行、ラ行

が目安です。

例えば、「2歳代でカ行の発音がはっきりしない」などは、定型発達の域を越えた早い成長を危惧していることになります。

さらに、ママ「が」きたなどの助詞を文法的に正しく使うようになるのは、定型発達の場合で2歳~2歳6ヶ月頃と言われています。 

 自閉症を抱えている場合にはこの時期(音声言語の時期)にはまだ言語を獲得していないことも多いので、あとから文字言語を使って文法や構文の獲得をめざすこともあります。

 1歳から3歳までの間には自発で話す単語だけではなく、単語の理解、文章の理解がどの程度できているかを観察することも大切です。

自発語がなくても「ボールとって」など文章指示が理解できている場合には、後に自発語が出てくる可能性も高くなります。


 子供は言葉を覚えてから使うのではなく、使いながら覚えると言われ、上記のように年齢などを考慮しないと言葉の発達が遅い、早いは評価できませんし、時に難聴などの問題も関わってきますので注意が必要です。


 次回からは自閉症スペクトラム障害児における発語トレーニングの具体例について述べたいと思います。



【参考図書】
・J.タイラー・フォーベル著、平岩幹男監訳、塩田玲子訳  
 (2012). 自閉症を抱える子どものための体系的療育 ABAプロ  グラムハンド ブックP61-P75
・宍戸 恵美子著、平岩幹男監修(2011). 教えて、伸ばす!発  達障害をかかえ た子ども~幼児期のABAプログラム~P25-54
・岡本依子、菅野幸恵、塚田-城みちる著(2004). エピソードで  学ぶ乳幼児の 発達心理学 p178-198 新曜社
・繁多 進監修、向田久美子、石井正子著(2010). 新乳幼児発達 心理学 福村出 版 P90-104
・中川信子著. 健診とことばの相談(2008) ブドウ社 P95-99