言語発達について②

言語トレーニングの考え方について考えてみます。

療育の目的は社会に適応できるようにすることです。

つまり、言葉を話すことは、他人と「コミュニケーションを取ること」と考えます。 当然のことながら、言語発達をするためには、養育者の話かけも重要です。

言葉がないからではなく、むしろ積極的に言葉によるコミュニケ―ションを使用するようにします。

最初は理解できる言葉(受容)を増やし、言える言葉(表出)を増やしていきます。

言葉が全くでない時には、発音を模した口真似の動作模倣から行い、場合によっては口以外の動作模倣の練習から始めます。

これが出来ると言葉を引き出す練習をするときに役に立ちます。

発語練習は要求から行うのとよいでしょう。

「リンゴ」→「リンゴが取ってもらえる」など、発語することで自分の要求が叶う状況を設定します。これもまた体験と結びつけることが重要です。

初めて言葉を発した時には大きな喜びがあります。

しかし、喜びと同時に一歩引いて考えておかなければいけないことがあります。

語彙を増やし、文章構成力をあげることは、自分の考え・要求を正しく伝えることにつながっていきますが、語彙を増やすと同時に文章構成力を上げていくことも念頭に置いておきましょう。
このことは、暗記的に言語スキルや語彙数を上げるだけでは、いずれ行き詰まることも示しています。

外国語の習得を例にとると、単語だけでもコミュニケーションは可能ですが、ある程度以上では行き詰ることがイメージできます。


では、語彙や文章構成力はどうやって身に付けるのか?


永江は著書の中で、「体験を通して身につく真のことば」として、「ことばは具体物にレッテルを貼りつけられるように覚えられるのではなく、具体物のイメージ、概念に結びつくものとして獲得される」と記しています。

 語彙を増やすためのトレーニングでは、実物もしくは実物に近いものを設定して覚えていきます。例えば、実物のリンゴなど日常生活に普通にあるものを使い、見て・触ってリンゴだと認識する体験から始めます。

定型発達児では、これらのことは生活の中で自然に覚えていきますが、自閉症スペクトラム障害児は発達の障害がある、学ぶ事に周囲の手助けが必要だと思ってください。

 言葉の表出がなかなかうまくいかない時には、コミュニケーションを優先させ絵カードを併用することも考慮します。言葉を発するまでの過程は、その時期には言葉を発することが出来なくとも(表出言語が出なくとも)、文字カードやパソコン、スマートフォンやiPadを利用して、コミュニケーションをとることが出来きます。

気を付けなければいけないのは前述の定型発語時期です。


子供が言えない時期の言葉を無理強いして練習させないようにしましょう。


スモールステップが大切です。


詳細な発語の仕方については、個人差がありますので主治医や担当のセラピストに相談することが大切です。


【参考文献】
・永江誠司。世界一の子ども教育モンテッソーリ 12歳までに脳  を賢く優しく育てる方法 講談社+α新書
・宍戸 恵美子著、平岩幹男監修。
 教えて、伸ばす!発達障害をかかえた子ども~幼児期のABAプロ グラム~ 少年写真新聞社 
・平岩幹男。就園と就学 自閉症スペクトラム障害 療育と対応を 考える 岩波新書
・宍戸恵美子。話す 話すときに何が起こっているのか? 日本行 動学会編 二瓶社
・松浦 公紀。0歳~3歳のちから―モンテッソーリ教育が見守る乳 幼児の育ちと大人の心得 学習研究社