親の態度が与える影響について②

前回からは「怒鳴ること」は良い面も悪い面もあると考えることができます。

つまり、怒鳴られたかどうかを肯定・否定で考えるかは受け手によって変わってくることを意味しています。
 

 この点については、シェイクスピアのハムレットに出てくる「Nothing either good or bad, but thinking makes it so.(良いも悪いもない、それは考え方次第だ)」は有名なセリフです。


ここでは、松岡修三さんを考えてみたいと思います。


松岡さんは「修三チャレンジ」など、テレビ番組でも熱心な指導が有名です。
 

 テレビで見ている際の熱い指導で、「怒鳴られている」と感じる方は少ないかと思います。これは、松岡さんが指導する際に「なぜ今のプレーはプロのテニス選手としてダメなのか」、「なぜ今の心構えでは一流選手に到達できないのか」を熱心に指導されています。

 少なくともネガティブな感情で語気を強めているようにはとても感じません。

熱い言葉できちんと理由を説明し、熱心に指導する姿は、松岡さんが「テニスを上達させるために本気であること」、「いまのプレーや考え方をしていると将来~の理由でだめになるから絶対にやってはいけない」と教えようとする真剣さが伝わります。その本気度合いが子ども達や周囲も感じ取っているのだと考えます。


ここでは、この本気の指導を「叱る」と定義します。


次に感情が高まった指導や教育を、「怒る(怒鳴る)」、「叱る」の2つに分類して考えてみます。


「怒る(怒鳴る)」:物事をマネージメントできない 自分の感情 を他人にぶつける行動(参考②)。

「叱る」:十分な愛情があり、本気で心配しているから来る行動。


 子どもを「叱る」状況はあっても、「怒鳴る」状況は無効であることが予想出来ます。さらに、受け取る側になぜダメなのかこれをすると将来どう困るのか理由を説明し、「怒鳴られている」と感じる状況にしないようにしないと効果が全くないばかりか、逆効果であることも予想できます。


自分の状態がどちらにあるか常に意識したいものです。


次回はこれらを踏まえて、データに基づく良い保護者の態度を考えてみたいと思います。



【参考文献】
①向山洋一. 教えてーほめる セルフエスティームを育てることこ
 そ最も大切だと医師は言う. 現代教育科学 54(1), 106-110.   2011
②築山 節. ジュニアサッカーを応援しよう! Vol.26秋号    
 P0122-125, 2012
③平岩幹男. 発達障害児への ライフスキルトレーニング:LST: 学 校・家庭・医療機関でできる練習法. 合同出版. 2015
④平岩幹男. 自閉症スペクトラム障害――療育と対応を考える. 岩 波新書. 2012
⑤宍戸 恵美子著, 平岩 幹男監修. 教えて、のばす!発達障害をかか えた子ども. 少年写真新聞社. 2011