保護者と子どもの関係 親の教育観②

もう少しポイントをみてましょう。

Clementeや園田8)は、「思う」、「考える」、「信じる」などの心的状態に対する言葉が多い養育者の子ほど心の理論の成績がよいことを示し、Peterson9)らは母親が心的状態を示す言葉で対処法を詳しく説明している子どもの方が心の理論の成績が高いことを示しました。


これらのことから、

養育者による

「子どもを認めること」、「言葉のかけ方」

がポイントであることがわかります。

では、「以心伝心」、「暗黙の了解」など、言葉以外の雰囲気を読むことが重要視される日本では、これらのことはどの程度機能しているのでしょうか?

 親の養育態度や教育には、暮らしている国や親の生活文化が大きく関与していることは予想できます。子どもの発達もまた同様であることを前提にこれらを考えてみましょう。

Bornstein10)11)らは、日本とアメリカの子育てを比較した際の特徴として、アメリカに比べて言語的働きかけの頻度が少ないことや、日本語の特徴としての1つのことに対して複数の言い回しがあることを述べています。

ここでは解りやすく、ドッグトレーニングを例にとります。

英語では「Good」、「No」の2つの言語に対して、日本語では「いいよ」、「よし」、「すごいね」、「ダメ」、「しちゃいけない」、「やめなさい」などがありますね。


これが教育だったとしたら・・・・

覚えることがたくさんで、親の方針があいまいだと混乱しそうですね。


次回は海外の子育てとの比較をみてましょう。



【参考文献】
1) ウォルター・ミシェル、柴田浩之著. マシュマロ・テスト 成 功する子・し ない子. 早川書房. 2015.
2) 森下正康、前田百合香. 児童期の母親と養育態度としつけ方略 が自己制御機 能の発達に与える影響. 発達教育学部紀要.
3) 柏木恵子. 自己制御の発達 心理学評論. 29. 3-24, 1986.
4)森下正康. 子どもの社会的行動の形成に関する研究.1996. 風間 書房.
5)森下正康. 幼児の自己制御機能の発達(3)父親と母親の態度の パターンが幼 児にどののような影響を与えるか. 和歌山大学教育 学部教育実践研究指導セ ンター紀要. 11; 87; P87-100.
6) 森下正康. 児童期の母親の養育態度としつけ方略が自己制御機 能の発達に与 える影響. 発達教育学部紀要
7)戸田須恵子. 父親の養育スタイルと、子どもの攻撃的行動に関 する研究. 北 海道大学紀要教育科学編, 49;63-78, 1993.
8 )園田菜摘. 3歳時の欲求、感情、信念理解:個人差の特徴と母子 相互作用と の関連. 発達心理学研究. 10; 177-188, 1999.
9) Peterson C, et al. Opening windows into mind: Mothers’ preferences for mental state explanations and children’s  theory of mind. Cog   Dvelopment. 18:399-429, 2003.
10)Bornstein, et al. Mother and infant activity and   
interaction in japan and in the United States: Ⅱ. A   
comparative microanalysis of naturalistic exchanges
focusted on the organization of infant attention. IJBD,
13:289-308, 1990.
11)風間みどり、他. 日本の母親のあいまいな養育態度と4歳の子どもの他者理解 ;日米比較からの検討. 発達心理学研究 24:2:126-138, 2013.
12)佐藤淑子. イギリスのいい子日本のいい子:自己主張とがまんの教育学. 中 央口論社, 東京.
13)堀場雅夫. おもしろおかしく 人間本位の経営. 日経BP, 2014.