書字について②

 指先の動きは日常生活においても大きく関連してきます。

笹田(①)は、

握り:手の平をつかう

つまみ:指先をつかう

握りと指先のサポート:手首をつかう

この3つの動きに注目するように述べています。

 

また、同様に書くために鉛筆の持ち方ならびに紙を押さえるなどの時に両手を使うことが重要であることも述べています(②)。


では、鉛筆の持ち方をみてみましょう。


どのような鉛筆の持ち方が多いのでしょうか?

 子供達を見ているとクセもありますが、年齢や性別にも影響があるような印象を受けている方も多いかと思います。

 立屋敷ら小中学生161人を対象とした研究でも(③)、正しい持ち方で出来ているのは約40%であり、持ち方も年齢、性別により差がでているものもあります。どちらかとゆうと、男子の方が正しい持ち方をしている者が多く、女子では多様性があるようです。

では、なぜ正しい持ち方が必要なのでしょうか?

「書く」といった行為だけに注目すると、どの持ち方でもかけることはかけます。

 押木(⑤)らはどの持ち方でも書けることは書けるのでから、書字を効率化するための「望ましい持ち方」と表現し、その望ましい持ち方は、5歳くらいから可能なのではないかとも述べています(④)。
 しかしながら、久米(⑤)は鉛筆の持ち方は、疲労・点画の書きやすさ・視線・書字速度・字形に影響を及ぼすことを述べています。つまり、こういったことは後々の学習効率に影響が出てくるものと思われます。

 指の動きに注目した場合に、平岩は小学校低学年で指の動きが悪い場合には、親指、人差し指、中指を独立して動かすことが苦手なことを指摘しています。その際には、洗濯バサミを開く練習や、トイレットペーパーを3本の指でもって回す練習などをすると良いでしょう(⑥)。

 知的能力が高いけれども書字が学習の障害にある場合には、書字が問題となり学習への興味が失われることも多々あります。ITメインの学習に切り替えるなどの対策をし、子どもたちの得意分野を伸ばす方法を考えます。

 現在、鉛筆を持つための補助器具は沢山ありますし、鉛筆自体が持ちやすい三角形のものもあります。鉛筆の補助器具も自作も出来ます。


 まずは簡単に改善できる「どのタイプの鉛筆の持ち方」なのかを調べてみると良いかと思います。



【参考文献】
①笹田哲. 体の動き指導アラカルト. 中央法規.
②笹田哲. 気になる子どものできたが増える 書字指導アラカルト . 中央法規.
③立屋敷かおる、他.小中学生における箸の持ち方と鉛筆の持ち方 との関連. 日本調理科学会誌 VoL38, No.4. P355〜361, 2005
④押木秀樹、他. 望ましい筆記具の持ち方とその合理性および検証 方法について. 書写書道教育研究 17 号, 2003
⑤久米「『書き方』の指導は『持ち方』の指導から」/『書写書道 教育要説』,pp.63-66, 1989
⑥平岩幹男. 発達障害児へのライフスキルトレーニング 学校・家 庭。医療機関でできる練習法, P124-P126, 合同出版.
⑦平岩幹男. 自閉症スペクトラム障害 療育と対応を考える. 岩波新書.