特定の子どもへの苦手意識を改善する②

 前回は、子どもの良いところを見つけることを述べました。

これまでも、「良いところが探せない」と言った意見を聞くことがありましたが、実際に子どもの教育に携わる職種でも、悩まれている方は少なくないようです。

では、「良いところを探す」ことは難しいことでしょうか?

 菅野6)は、我々は普段から相手のあらや欠点を指摘していること、つまり、褒めるのと逆を多く行っていると述べています。また、それがゆえに「良いところ」を他人に説明する表現力の不足も指摘してます。

 柳沼7)は、教師がこどもを一般的な基準で判断することの過ちを指摘しています。

つまり、一般的基準で評価すると、個性的な部分は基準から外れ、年齢相応の行動を求めることで、年齢相応でない場合には、その子の個性は評価されないことになります。

この点については、北野武さんもその著書で、画一的な基準を子どもに当てはめ続けることの弊害を述べています。

自閉症を抱えるロージー・キングは、最高の褒め言葉が「Wow, you are really normal (君って、すっごく普通だよね)」だったら?といった問いを投げかけ、普通から外れることを矯正するのではなく、その外れた個性を褒めることを提案しています(How I autism freed meto be myself ; 邦題 自閉症がいかに私を解き放ち、私らしく感じさせてくれるか. TEDMED 2014)

どうやら、一般の概念に染まった私達大人は、子どもたちの「良いところ」を探す意識改革、視点変更の練習が必要そうです。

 新宅8)は、子ども達がワークシートに自分のことを記載し、長所とみんなでチェックしたあと、見方をかえることで短所を長所として捉えなおし、短所を長所に変化させる方法を報告しています。


代表の平岩は言います、「まず、今まで叱るか注意していたことができた場面を考えましょう」。

 「今まで叱るか注意していたことができた場面はよくあるので、なんとなくスルーしがちですが、これはもちろんほめる対象になります。自閉症など発達障害を抱えた子どもに対しては、特に思春期以降は回避感情(うまく対応できないという負の感情)が強くなりがちで、ほめるチャンスを逃がしてしまいます。こんなときにはちょっとした頼みごとをして「ありがとう」を言うことです。ありがとうと言われて嫌な気がすることはまずありませんから、ちょっとしたお手伝いを頼んで「ありがとう」です。」


これならすぐにでもできそうですね。


参考文献
1)平岩幹男.発達障害児へのライフスキルトレーニング 学校・家 庭・医療機関で出来る練習法. 合同出版社. 2015年
2)北野武. 新しい道徳の教科書. 幻冬舎. 2015年
3) クリスティン・バーネット著、永峯涼訳.「ぼくは数式で宇宙の 美 しさを伝えたい(英題:The spark amother’s story of nurturing   genius)」
4)Faith Jegede: What I've learned from my autistic        brothers.TED

5)Rosie King:How I autism freed meto be myself. TED

6)菅野純. いいところを探す言葉の修行. 月刊学校教育相談   
 2000年5月号
7)柳沼良太. どんな子にも必ずいいところを見つけてくれる先生. 児童  心理 4月号臨時増刊 2010年
8)新宅裕子. クラスの中のわたし ~こどもと共に自己肯定感を 育む “いいところさがし”の授業. Sexuality No.52, 2011.
9)阿部利彦. 子どもの「いいところ」が見えない教師. 児童心理     2015年5月号

2016年02月04日