自閉症児の兄弟はどう考えてているか②


自閉症スぺクトラム障害を抱える兄弟をもつ子は、支援が必要であるか

一般的には必要ですよね


では、当人はどう思っているのかを考えたいと思います。 


 片岡4)らが行った研究では、きょうだい会やきょうだい支援プログラムなどは、参加した自閉症スぺクトラム障害を抱える兄弟を持つ子どもたちからは、有効性を確認出来なかった(むしろ否定的な意見もあった)。一方で、小学生を対象とした場合には、同じ境遇を持つ子達との交流や遊びに肯定的な意見がありました。

このことを踏まえて、片岡らは複数の研究結果も示すように、すべての自閉症スぺクトラム障害を抱える兄弟をもつ子に対して、一律に支援が必要である訳ではないとしています。

小学生では、同じ境遇の子達との遊びが楽しいことは支援を計画する際に重要です。

講義形式で自閉症スペクトラム障害のことを教えても、自分が望まない限り興味が持てない場合が多いと考えられます。中学生でもそうでしょう。

では、高校生や大学生で興味があったとしたら?

年齢と興味は関係なく、説明の仕方にもよるでしょう。


調査する年齢や生活状況、兄弟の通学状況や障害の程度によって、定型発達の兄弟の考えや悩みはバラバラであり、個別に対応する必要があるといえます。


親はどうすればよいのでしょうか?


大切なのは、「知識をつけること」、「思い込まないこと」です。


親に知識がなければ、子どもや親戚が納得する説明はできませんし、自閉症スペクトラム障害と定型発達の子どもを育てる際に、混乱も生じます。


そもそも、何をどう助けて良いのかもわからないでしょう。


このことは、各種研究で述べられている親が子供に与える影響にも響いてきそうです。思い込みにも注意が必要です。

片岡3)は、母親が定型発達の兄弟を過剰に評価している可能性を指摘し、本人との認識のズレに注意を呼びかけています。

例えば、母親が教師に兄弟の支援を望む一方で、研究に参加した多くの定型発達の兄弟は、教師を「支援の対象」や「相談相手」とは見ていなかったことを指摘しています。


親としての理想は、自分で乗り越えてくれることです。


これは、成長や問題解決能力の向上につながります。


しかし、乗り越えられない時もあるでしょう。


 定型発達の兄弟に対して親が出来ることは、「相談できる環境(家庭内も含めて)を選択できること」、「セルフエスティームの向上」、「問題解決能力を高めること」、「質的なコミュニケーションが足りているか」が重要事項になりそうです。

 

【参考文献】
1: Drotar,D., Baskiewicz,A., Irvin,N., Kennell,J., & Klaus,M. The   adaptation of par-ents to the birth of an' infant with a       con-genital malformation :A hypothetical model. Pediatrics,    56(5), 710-717. 1975.
2:水内豊和、片岡美彩. 自閉症スペクトラム障害児・者の兄弟の生涯発 達の諸相(第1報):兄弟と同胞の関係の視点から.富山大学人間発達 科学部紀要. 10(1).89-98.
3:菊池紀彦. 重症心身障害児(者)と家族に対する地域生活支援の現状 と課題. 特殊教育学研究50: 473-482. 2013
4:片岡美彩、水内豊和. 自閉症スペクトラム障害児・者の兄弟の生涯発 達の諸相(第2報):家族関係ならびにきょうだいの将来展望の視点か ら.富山大学人間発達科学部紀要. 10(1).99-109.


2016年03月26日